Q.こんな時どうする?
咳がひどく、喘息かも?と心配…
気管支喘息は、アレルギーで起こる病気です
子どもは、繰り返し風邪をひくものです。でも、咳がひどく長引くと、「喘息かもしれない」と心配になる方もいますよね。
気管支喘息は、アレルギーによって起こります。では、そもそもアレルギーとは何でしょう?
私たちの体には、自分と異物とを区別して、異物を追い出す仕組みが備わっています。だから体内に入ってきたウイルスや細菌をやっつけることができるのです。この「免疫」という仕組みが、体を守っているんですね。
ところが、免疫は、本来そこまで危険ではないはずの特定の異物にも反応してしまうことがあります。これがアレルギーです。
気管支喘息は、まず普段から常に気管支に炎症があり、そこにさらにアレルゲンとなる物質を吸い込んだ時に、免疫が過剰反応し、いろいろな種類の炎症物質が放出されることで、気管支が狭くなってゼイゼイしたり、分泌物が増えて痰が絡んで苦しくなったりする「喘息発作」が起こる病気です。
アレルゲンは、ダニやハウスダスト、動物の毛、カビなどさまざま。ちょっとした刺激で、1年間に何回も喘息発作が起こります。激しい運動や気候の変化、タバコや花火の煙を吸うことによっても喘息発作が出ることがあるので、注意が必要です。
風邪との見分け方は? ステロイドを使っても大丈夫?
風邪をきっかけに喘息発作が起こることもあるので、風邪と区別することは難しいのですが、どちらにしてもお子さんが咳や痰でつらそうにしていたら、小児科か耳鼻科へ行きましょう。
胸から「ゼイゼイ」「ヒュー ヒュー」といった音がするか、咳で寝付けなかったり、明け方に苦しくて目が覚めてしまったりすることがあるか、何かのきっかけで 症状が繰り返されるか、などの問診や診察が診断の理由になります。
血液検査や胸のレントゲン、呼吸機能テストといった検査方法もありますが、補助的なものです。
治療は、気管支を広げる吸入薬やテープ薬、気道の炎症を抑えるステロイドの定期的な吸入や内服薬、痰を出しやすくする内服薬などの薬を使って、長期的に行います。
免疫の過剰反応によって分泌され、気管支喘息の症状を引き起こしてしまうのが、ロイコトリエンなどの炎症物質。このロイコトリエンが分泌されて気管支に作用しないようにするのが抗ロイコトリエンです。また、吸入ステロイドはとても効果があります。
ところが、その昔、ステロイドはあまりに効果があるために、安易に使われたことで副作用が問題になりました。マスコミでも盛んに取り上げられたので、今でもステロイドはとても怖い薬だと思っている人がいます。でも、ステロイドが使われ始めたのは1950年代。それから60年ほど経ち、もう安全な使い方がわかっています。
昔の怖いイメージで有効な治療法を避けるのではなく、疑問に思ったことは主治医に質問したり相談したりしながら、お子さんにとって最もいい治療をしましょう。
子どもの病気やケガは、いつも突然やってきます。
それは、子どもは大人のミニチュアではないから。
子どもの体や病気を知って、安心して子育てを楽しもう。