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社会みんなで子育て!人に頼ると、子どもは育つ。【子どもと向きあう】

大学で「園の先生」を目指す学生を指導している中島美那子さん。「自分の子育てで自慢できるのは、人に子どもを預けたこと」と語る中島さんに、その活動や子育てについて伺いました。

中島 美那子さん
茨城キリスト教大学 文学部児童教育学科 教授。幼稚園教諭や保育士を目指す学生を指導しながら、「子どもの育ちに社会全体でかかわる」をスローガンに、カウンセリング子育て支援センターで保護者の相談に乗るなど、子育て支援に積極的に関わっている。大学院生の娘がいる。

先生を目指す学生を地域で育成

普段は、大学で幼稚園や保育園の先生を目指す学生を指導しています。私のゼミは大学外の活動も盛ん。たとえば地域のスーパーで学生たちが自主的に「お買い物中にお子さんを無料で預かります」という保育ボランティアをするなど、積極的に子育て支援に関わっています。学生は大変ですが、覚悟の上でゼミに入ってきてくれているんじゃないかな(笑)。

それに、地域の子育てに関わることは、学生にとってもいい学びになります。保護者の悩みに直接触れることはもちろん、準備段階から大人と会議をして企画を進めていくことは、社会に出てからも役立つ経験だと思います。

朝ごはん、夜泣き、授乳時間…子育て経験が今に生きています

私自身の子育てだって、褒められたものじゃないんですよ。

私は最初から大学の先生を目指していたわけではなく、娘を産んでから「これから何になろう?」と考えて「昔は学校の先生になりたかった」と思い出し、通信教育で大学に編入。娘が3歳の頃に卒業したものの、「中学校の教員になるのは何だか違うかも」と思い直し、大学院へ進学。修了後、心療内科で働いたり、学校でスクールカウンセラーとして勤務したりなど、さまざまな経験を経て大学で教えるようになったんです。

だから、娘も1年間は幼稚園に通ったものの、「ごめん、ママは大学院に行くから保育園に行ってくれる?」と私の都合で転園。  思い出すのは、朝もレポートで忙しくて、食パンにマーガリンだけ塗って牛乳と一緒に娘にはいっと渡したら、そんな日に限って保育園で朝ごはんの調査があるんですね。先生に「ママにおかずも出してもらってね」と言われ、「そんなの無理」とこぼしたことも。

娘が赤ちゃんの頃は、少しの物音でも起きて泣くような子だったので、授乳時間は「唯一の自分の時間!」とばかりにテレビのリモコンと本とお菓子を手元に置いてスタンバイ。「授乳中も赤ちゃんとアイコンタクトを」とはいうものの、子育てにはそれぞれの事情があるんですよね。

こんな経験があるからこそ、学生には「家庭の状況を見てアドバイスしてね」「一方的に言わず、ママ自身が子育てが楽しいと思えるように寄りそってね」と指導するようにしています。

娘の留学、夫の退職お互いの夢を応援する家族に

私自身の子育てで自慢できることといえば、「人に子どもを預けた」という点。両親や夫はもちろん、ママ友に科学館に連れて行ってもらったり、おうちでご飯を食べさせてもらったり、本当によく娘を預けましたが、これは娘にとってとてもいい経験でした。

娘は高校生の時に「何のために勉強するのかわからない」と言い出し、進学校を中退してカナダに留学。英語ができない中でアジア系移民の同級生に助けてもらい、無事に卒業できたのは、幼い頃から親以外の大人や友達に頼る経験もしていたおかげだと思います。

夫は夫で、もともと料理は得意だったものの、突然「料理人になる」と言って、会社を退職。当時は娘もカナダ留学中で、学生に「先生の家庭って、ぶっとび家族だね」と言われたことが忘れられない思い出です(笑)。

でも、私がやりたいことを探していた時応援してくれて、大学院の費用も出してくれたのは夫。「次は自分の番だね」と言われたら、嫌とは言えません。片方ががんばっている時に応援してくれたら、逆の時には絶対応援したくなります。役割を固定せず、そんな夫婦でいたい、と思うんです。

読者にメッセージをお願いします

子育ては1人ではできません。家族だけではなく、社会のいろいろな場所や人に頼ることは、子どもにとてもいい影響を与えます。私自身も「私がいなくても、娘は自分で生きていける」と思えたことは、大きな自信になりました。ぜひたくさん周囲に頼って、楽しく子育てしてくださいね!

茨城キリスト教大学
カウンセリング子育て支援センター
アンネローゼ

毎週木曜に開かれている「子育てひろば」のほか、「子育てカフェ」や「ワーキングマザー講座」、発達が気になる子ども向けの親子教室など、子育て支援のための企画を多く実施。学生も指導を受けながら参加することで、学び、成長します。

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