9月は防災月間。いざという時に「持ち出せて」「ちゃんと役立つ」防災グッズのおかたづけ方法を、整理収納コンサルタントの小堀さんに教えてもらいます。
防災グッズは「あれば安心」ではありません
日本各地で頻発する災害を機に、「我が家も防災グッズを揃えなきゃ!」と決心するママも多いのではないでしょうか。
そうなると、まず揃えたくなるのが「非常持ち出し袋」。非常食などがセットになって市販されている「持ち出し袋」を購入しているママもいれば、自分で中身を揃えてリュックサックなどに詰めて準備しているママもいますよね。
でも、ちょっと待って!おうちの防災グッズ、本当にちゃんと使える状態になっていますか?
防災グッズは、「とにかく用意してあればひとまず安心…」ではないんです。せっかく準備しても、いざという時に使えないようでは宝の持ち腐れになってしまいます。
万一の時に家族を助けてくれるグッズを目指し、「(1)持ち出せる場所にあるか」「(2)今の我が家に合った中身か」の2点をポイントに、防災グッズのおかたづけを始めましょう!
ココがNG!押し入れにしまい込まれた「持ち出し袋」
せっかく買った「非常持ち出し袋」を押し入れの奥にしまいこんでいるママ、いませんか?
ましてや枕棚など普段から取り出すのに手間がかかるような場所だと、もし大きな災害が起こって家の中がめちゃくちゃになってしまったら…持ち出し袋がどこにあるのか、探し出すのはちょっと難しいですよね。
それに、たとえママはどこにあるのかわかっていても、災害が起こった時、ママが家にいるとは限りません。パパや子どもでも「あそこにある!」と知っていることも必要です。
これでOK!防災グッズは誰でもわかる場所に
自治体のハザードマップなどを調べた結果、我が家のあるエリアが影響を受けそうな災害は、主に「地震」とわかりました。そこで、もし家が地震で壊れても何とか取ってこれそうな場所ということで、我が家では防災グッズを玄関の下駄箱下に置いています。
おうちによっては、「庭の物置」などにしまっておくのもいいですね。とにかく「取り出しやすい場所」「誰でもわかる場所」を第一に、置き場所を決めましょう。
そして、我が家では防災グッズを、「避難用のリュックサック」と、「被災後、避難所や自宅で生活するためのボックス」に分けて保存しています。
避難時に持ち出すリュックサックの中身は、懐中電灯やマスク、レインコートや絆創膏のほか、下着、ペットボトルの水、グミや飴などのお菓子も。緊急時に、家族で無事に避難することを考えた内容です。夜間の災害に備えて、就寝時には寝室の枕元に置いています。
対して、玄関に置いているボックスの中身は、トイレットペーパーや歯ブラシ、水不要のシャンプーのほか、紙皿や紙コップ、割り箸に缶詰やパスタ、フリーズドライ食品など。さらに、カレールー、レジャーシート、ラップとアルミホイル、虫除けスプレーも入れています。…この内容に「あれ?」と思う方もいるかもしれませんね。実はこのボックス、我が家ではレジャー用品と兼用なんです。
防災ボックス=レジャーボックスなら、
週末のバーベキューで「ローリングストック」♪
「ローリングストック」という考え方を知っていますか?これは、日頃から食品を少し多めに買って保存しておき、古いものから食べてまた買い足す…という流れを続けていくことで、常に一定量の食品を家に備蓄しておく方法のこと。
このローリングストックに、「防災グッズをレジャー用品兼用にする」方法はピッタリ。そもそも防災グッズとレジャー用品は重なるものもいっぱいです。
そこで、家族でキャンプに行ったり、バーベキューをする時は、ボックスごと持参。中から出した食品や紙皿、割り箸などを使ってレジャーを楽しんでいます。
そうすれば、「せっかく買った非常食だけど、食べ方がわからない…」「子どもの好みに合わなくて食べない」ということはなくなりますよね。しかも、定期的に食べて買い足すので、賞味期限切れの心配もありません。楽しみながら、防災訓練ができちゃうわけです。
いざ災害が起こった時、避難所では食べ物が配られるとしても、ひとつでも食べ慣れた食品があればうれしいもの。そんな「うちの定番食品」を、日常のレジャーの中で見つけてみてください。
たとえば、我が家で人気なのは、「あんこのお団子」。団子粉と水をこねてお団子をつくり、お湯で茹でてあんこを付けて食べるのですが、これが子どもたちの大好物。だから、ボックスにはいつも、団子粉とあんこの缶詰が入っています。よかったら試してみてくださいね。
後編は、小堀さんが実際に用意している防災グッズリスト!
・レインコートがサイズアウト…!防災グッズにも見直しが必要です【おかたづけ日和】後編(※22日公開予定です)