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「週末は晩ごはんをつくらない」 と決めたら、心が軽くなった【きかせて、子そだて】

人気の料理研究家として活躍するコウケンテツさんは、中学生から保育園児の一男二女の父親でもあります。「普段の家族の食卓は?」「ごはんは誰がつくるの?」「子どもたちも料理をする?」「料理をしたくないときはどうすれば?」など、お話を聞きました。

「副菜はトマトを切っただけ」 意外と質素な料理家の食卓

我が家の子どもたちは、中学生の長男、小学生の長女、保育園児の末っ子次女の3人です。

料理研究家の食卓といえば、毎日凝った料理が並ぶと思われがちですが、我が家の日々のごはんは、メインは鶏肉や魚のグリル焼き、副菜はトマトを切っただけのものや、日によってはナムルを添えたり、味噌汁が付いたりと、実際はとても質素です。

さらにリアルな話では、仕事としての料理の試作がそのまま晩ごはんになったり、お弁当のおかずになることも。試作がうまくいかず、試行錯誤が続くときは、連日同じメニューが食卓に並びます。それはそれで、子どもたちにとってはちょっと大変かもしれません。

基本的に、朝ごはんとお弁当の担当は僕。通学に合わせて、長男が6時、長女が7時、末っ子が8時に起きてくるので、朝ごはんは3部制(笑)。みんなで揃って食べるのは、週末だけです。我が家では自分たちでトーストや卵、ベーコンを焼くなど、思い思いに好きな朝ごはんをつくるのがルール。意外に人気なのが、レンジでつくる、きな粉餅。朝から何個も食べていますよ。

長女の夜の塾弁担当は妻。妻は遅くまで仕事があるだけでなく、夜は子どもの勉強をずっと見てくれていることも多いので、晩ごはんは夫婦交代でつくったり、家族みんなでつくるなど、ケースバイケースで対応しています。

今となってはそんなふうに肩の力を抜いた食事づくりですが、初めての子どもである長男の離乳食では、野菜の大きさを調理用の定規で計っていました(笑)。離乳食用の出汁も、かつおだし、昆布だし、いりこだし、野菜を切った残りのへたや皮などを煮た野菜だしをつくり、それぞれを製氷皿に入れて常備。今考えると、そこまでしなくても!と思いますよね。

「今日は無理かも」と思ったら その日は料理しない方がいい日

中学生になった長男はよく妹たちの分までオムレツやホットケーキをつくってくれますし、長女はケーキづくりが大好き。末っ子も僕の絵本を見ながら、スクランブルエッグを上手に料理。テーブルセッティングや後片付けも、みんな協力してやってくれます。これは、物心がついた頃から、僕たち夫婦が、協力しながら家事や、ごはんをつくるのを見ていたからだと思います。それが当たり前になっているんですね。

今の彼らの姿を見るととても頼もしいですし、料理家という仕事についても、リスペクトしてくれているのだと肌で感じています。

幸運にも子どもを3人も授かることができて、僕たち夫婦はなんてラッキー、と感謝の気持ちが溢れる一方、子育ての毎日は「~しなければならない」に追われることの連続で、心身ともにくたびれ果てることが多いのも事実です。

そこで、我が家では、家族の話し合いで、朝ごはんは「自分の食べたいものは自分でつくる」、週末の晩ごはんは「料理をつくらない」と決めました。なので、週末は外食したり、惣菜をみんなで買いに行ったり、ウーバー的なものを頼んだり。出費は痛いですが、気持ちが軽やかになり、ストレスも本当に減りました。週末、みんなで何を食べようか?と会議をすることもすごく楽しみです。

皆さんも、もし「ごはんをつくるのがしんどい」「今日は無理かも」と思ったとしたら、いろんな意味で限界に来ているのかもしれません。そんな日は、残り物を食べてもいいし、インスタントや冷食を利用するのもありですよね。一番大事なのは、自分自身のメンタルヘルス。どうか無理をなさらずに、気楽に行きましょう。


『本当はごはんを作るのが好きなのに、 しんどくなった人たちへ』(ぴあ)
初の書き下ろしエッセイ。料理の手間を排除するレシピも掲載。

 

『まねっこシェフ  ふわふわ!スクランブルエッグ』 『まねっこシェフ  にぎにぎ!おにぎり』(主婦の友社)
コウケンテツさん初の絵本。親子で料理をつくるレシピ付き。

コウケンテツさん

料理研究家。大阪出身。旬の素材を生かした手軽でおいしい家庭料理を提案し、テレビや雑誌、講演会など多方面で活躍中。30カ国以上を旅して世界の家庭料理を学ぶ。親子の食育、男性の家事・育児参加、食を通してのコミュニケーションを広げる活動にも力を入れている。YouTube「Kohkentetsu kitchen」は登録者数190万人以上の人気チャンネル。

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