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大半の家庭で圧倒的に足りない「飲み水」の備え【ふだんのBOSAI】

必要になるのは、今日かもしれない。 普段の防災は、不断の防災。

大半の家庭で圧倒的に 足りない「飲み水」の備え

01 水は「1人1日2L」 ×家族人数×7日分

1日に必要な飲み水は、性別や年齢、体の大きさによっても違いますが、平均して1人2L。首都直下地震や南海トラフ巨大地震などが連動して起こることを想定すると、7日分の備蓄が必要。

02 4人家族で6本×5箱! デッドスペースに保管を

4人家族の場合、2Lのペットボトルが28本必要なので、6本入りの段ボール箱で買うと5箱になります。箱に大きく賞味期限を書いて、家庭内のデッドスペースに保管しましょう。

03 給水車が来たら、水を 運ぶのにポリ袋が役立つ

給水車から水を運ぶには、ポリ袋が役立ちます。登山用リュックにポリ袋を二重にして入れてポリタンク代わりにしたり、段ボール箱にかぶせてキッチンへ置き、水瓶にするのも便利。

日本の大半が被災地なら 誰も助けに来られない

「もし災害が起きたら在宅避難を選ぶ人が多い」と予想される今、大切なのは在宅避難の備え。

災害時の備蓄として、「水」は今時全く備蓄していない家庭の方が少ないでしょう。しかし、「備えている」という家庭でも意外に足りていないのが、「量」です。

水は、尿や大便、汗として、成人男性では1日に約2・5Lも失われます。成人女性は約2・3L、子どもは約2L。水は体内で自己生成もされ、すべて補給しなくてもいいので、平均して「1人1日2Lが必要」と覚えておきましょう。

次に、「何日分の備蓄が必要か?」です。実は、国の指針として、以前は「3日分」とされていました。ところが、現在では「7日分が必要」となっています。これは、「首都直下地震」や「南海トラフ巨大地震」などが連動してほぼ同時に発生することを想定したから。最悪の想定ですが、過去には何度も起こっています。こうなると、日本の大半が「被災地」となります。どこかから助けが来る前提なら「3日分」でいいのですが、誰も助けられない状態で何とか自分たちで持ちこたえるための「7日分」なのです。

7日分の水は、仮に4人家族なら、2Lペットボトルで28本。6本入りの箱なら5箱です。かさばりますが、デッドスペースを探して保管し、賞味期限が近づいたら飲み始め、再度注文するといいでしょう。

また災害時、給水車から自宅へ水を運ぶには、ポリ袋が役立ちます。段ボール箱やリュックにポリ袋を被せればポリタンク代わりに。こちらも準備しておきましょう。

永田 宏和さん

NPO法人プラス・アーツ理事長。兵庫県西宮市生まれ。大学で建築を学び、大学院ではまちづくりを専攻。阪神・淡路大震災10周年記念事業で、楽しく学ぶ新しいカタチの防災訓練「イザ!カエルキャラバン!」を開発。

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