筑波大学教授の徳田克己先生が、ママの子育てに関する悩みに答えてくれるコーナー。
子どもにとって、反抗は 「意思表示」の練習です
子どもの「イヤ!」「ひとりでする!」に、「ダメ!」「いい加減にしなさい!」などと大声で言い返してはいませんか?「うちの子の反抗は半端じゃないから…」というご両親も多いでしょう。
そうなんです。反抗期の子どもの行動の多くは、親をいらだたせ、頭を抱えこませるのです。ひとの迷惑になったり、やたらと時間がかかってしまったり、その日の予定がくるったりと、手を焼かされます。
すると、大人は子どもの「イヤ!」を無理やり抑えこんで、反抗をストップさせるようになります。確かに、きつく叱ると、その場は一時的におさまります。でも、いつもそのように子どもの「イヤ!」を抑えこんでしまっていると、その子は自分の意思を表現することがとても下手になってしまいます。「叱られるよりは、黙っていた方がいい」と思うのです。
このような状態が続くと、子どもの意欲の発達や性格形成に問題が生じることもあります。
子どもの反抗は、子どもにとって大事な「意思表示の練習」です。反抗期は、子どもの意欲と表現力を伸ばす絶好のチャンスと考えましょう。
反抗期の子どもの対処法 許すこと・許さないことを明確に
子どもの反抗期はとても長く感じられますが、大丈夫。期間限定です。半年から長くて1年でおさまり、反抗の度合いが激しい子どもほど、短期間で反抗期を卒業する傾向があります。
反抗期で気をつけたいのは、ケガの危険がない場所や範囲で反抗させるようにすることです。また、ひとに迷惑をかけること、自分の身に危険が及ぶことに関しては、なぜいけないのかをわかりやすく説明した上で、「これだけはどんなに駄々をこねても許さない」と、しっかり伝えるようにしましょう。
そして「〇〇と〇〇は絶対にダメ」と伝えたら、決してブレてはいけません。つまり、反抗しても許すことと、絶対に許さないことを明確にするのです。
大人がその時の気分で対応していると、子どもは良いこと・悪いことの区別がつかなくなり、すべてに反抗するようになります。
時には、大人がどんなに冷静に話しても、受けつけないこともあるでしょう。そんなときは一切声をかけず、落ち着くまで見守りながら待つという方法が効果的です。