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株や投資信託など、「投資」について耳にすることが増えました。ちょっと興味が出てきたのですが、大切なお金だから大きな損はしたくないんです。いったいどんなことから始めたらいいのでしょうか? 現在専業主婦で、パパのまわりでも投資をする人が多いと聞いて、2人で気になっています!
(ママ32歳/パパ38歳、長女4歳、次男1歳)
お得な“NISA”って、いったい何?
第1回目は、月々1,000円程度から投資ができる、“投資信託の積み立て”についてお話をしました。株や投資信託では、値上がりして利益が出たり、配当金や分配金というお金をもらったりすることがありますが、実はその利益には税金がかかります。その割合は20%(復興特別所得税を含めると、正確には20.315%ですが、以下20%で計算します)です。
もし10万円で買った投資信託が11万円になったときに売ると、1万円の利益になりますが、20%の税金がかかるので2,000円が差し引かれ、実際に得られる利益は8,000円です。2,000円の税金がかかるのは、「ちょっともったいないな」と感じるかもしれません。
そこで、NISA(ニーサ)なのです。このNISA口座で売買すれば、この税金が不要なのです。
20%の税金がかからない、お得な投資用口座
NISAは、「少額投資非課税制度」という制度の愛称です。この口座で利用できるのが1人1年間あたり120万円までという制限があり、世の中で取引されている金融商品の総額から見ると、“少額”だとされて、“少額…”という名前がついています(私個人からすると、120万円でも十分大きなお金だと感じますが!)。年間120万円という上限の範囲内であればOKなので、月々1,000円など投資信託の積み立てでも使えます。
NISAの口座で、年間120万円まで購入した株や投資信託については、基本的に5年間、本来かかる税金の20%がかからないというメリットがあります。先ほどの例では、1万円の利益が出たら、税金がかからないので、2,000円が差し引かれることなく、1万円の利益がまるごと受け取れます。
金融機関によっては、NISAで株などを買うと、購入手数料が無料になるケースも多いです。NISA口座は一人につき1口座で、一度口座を開いたら1年間は金融機関の変更ができません。口座を開こうと思ったら、どこの金融機関がいいか、じっくり考えてからにしましょう。ちなみに、夫婦別々の金融機関でNISA口座を開くこともできますよ。
NISAの注意点とは?
NISAの注意点として、他に投資用の口座を持っていた場合があげられます。その口座とNISA口座との“損益通算”ができないのです。
損益通算というのは、「利益」と「損」をプラスマイナスにして計算すること。例えば、NISAではないA口座で1万円の利益、B口座で1万円の損が出た場合、通算すると(+1万円―1万円で)利益は0円ですよね。普通の口座なら損益通算ができますので、手続きをすれば利益は0円だとみなされ、A口座の1万円の利益に対する20%の税金を支払わずにすみます。
ところが、NISA口座では、そのプラスマイナスの計算ができません。NISAではないA口座で1万円の利益が出て、NISA口座で1万円の損が出た場合、NISA口座との損益通算ができないので、A口座の1万円の利益には20%の税金がかかってしまうのです。
口座開設は基本的に無料
2018年からは、「積立NISA」という制度も始まります。これは、年間の上限金額が40万円(月々3万円程度)の範囲で積み立てを行い、20年間、利益が非課税になるものです(20%の税金がかかりません)。普通のNISAか積立NISAか、どちらかを選ぶ形になります。今年は普通のNISAで始めて、来年から積立NISAを選ぶというのもいいと思います。
口座開設は基本的に無料で、住民票の写しとマイナンバーの書類が必要です。いざ投資を始めたいと思ったときにすぐに始められるよう、口座開設を検討しておくのもよいでしょう。
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