
本に書かれた専門家の見解も多くは数ある考え方の一つ
育児は悩みの連続です。インフルエンザにかからないようにはどうしたらいいの?未だに夜泣きが終わらないんだけどおかしいのかしら?夫が単身赴任になりそうだけど、ほんとうになったらどうしよう?2歳になるのに、まだ言葉が出てこない、どうしたらいいの?……
そういうときは、ネットを検索して、みんなはどうしているのか、情報を探すのではないでしょうか。でもいろいろな意見が出ていて、かえって分からない。うーん。そうだこういうときは、育児百科とか育児の有名な本だとかを見て、専門家の意見を聞こう、と、いわゆる専門家に頼る、ということをしているのではないでしょうか?
でも、育児百科などに書いてあるいわゆる専門家の見解も、多くは数ある考え方の一つなのです。たとえば子どもをほめて育てよ、ということを書いている専門家がいます。ところが、私などは『ほめない子育て』なんという本を書いて、安易にほめて育てると、その子は人の評価に敏感になりすぎて、自分は自分という感覚が育ちにくくなりますよ、等といっているのです。このことについては改めて書きたいと思いますが、ほめることの効用をめぐっても専門家といわれている人に見解の大きな差がある。体罰の是非についてもそうです。
学問の世界では、それぞれの研究者が独自の視点と方法から、何かを研究し、自分の説を発表します。すると、今度は別の研究者が、それとは異なる研究方法で、同じことについて違った説を発表します。ときには論争します。そのようにしてお互いが切磋琢磨しあう世界が学問の世界なのです。みんなが一致する見解などなかなかありません。
ですから、分からなくなったら専門家はどういっているのかしら、と調べることはいいのですが、そしてそれが参考になることも多くあるのですが、あくまでもこの人はこういう考えなのだ、とちょっと引いた視点で見ることが大切です。
この子のことは私が一番知っているのだ、と居直る姿勢も大事なのです。



