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専門家に頼りすぎない!【汐見先生のうまれて、よかった。】

本に書かれた専門家の見解も多くは数ある考え方の一つ

育児は悩みの連続です。インフルエンザにかからないようにはどうしたらいいの?未だに夜泣きが終わらないんだけどおかしいのかしら?夫が単身赴任になりそうだけど、ほんとうになったらどうしよう?2歳になるのに、まだ言葉が出てこない、どうしたらいいの?……

そういうときは、ネットを検索して、みんなはどうしているのか、情報を探すのではないでしょうか。でもいろいろな意見が出ていて、かえって分からない。うーん。そうだこういうときは、育児百科とか育児の有名な本だとかを見て、専門家の意見を聞こう、と、いわゆる専門家に頼る、ということをしているのではないでしょうか?

でも、育児百科などに書いてあるいわゆる専門家の見解も、多くは数ある考え方の一つなのです。たとえば子どもをほめて育てよ、ということを書いている専門家がいます。ところが、私などは『ほめない子育て』なんという本を書いて、安易にほめて育てると、その子は人の評価に敏感になりすぎて、自分は自分という感覚が育ちにくくなりますよ、等といっているのです。このことについては改めて書きたいと思いますが、ほめることの効用をめぐっても専門家といわれている人に見解の大きな差がある。体罰の是非についてもそうです。

学問の世界では、それぞれの研究者が独自の視点と方法から、何かを研究し、自分の説を発表します。すると、今度は別の研究者が、それとは異なる研究方法で、同じことについて違った説を発表します。ときには論争します。そのようにしてお互いが切磋琢磨しあう世界が学問の世界なのです。みんなが一致する見解などなかなかありません。

ですから、分からなくなったら専門家はどういっているのかしら、と調べることはいいのですが、そしてそれが参考になることも多くあるのですが、あくまでもこの人はこういう考えなのだ、とちょっと引いた視点で見ることが大切です。

この子のことは私が一番知っているのだ、と居直る姿勢も大事なのです。


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汐見 稔幸さん

一般社団法人家族・保育デザイン研究所 代表理事。東京大学名誉教授・白梅学園大学名誉学長・全国保育士養成協議会会長・日本保育学会理事(前会長)。専門は教育学、教育人間学、保育学、育児学。初代イクメン。父親の育児参加を呼びかけた「父子手帳」の著者。ユーモラスでわかりやすい語り口の講演は定評があり、保育者による本音の交流雑誌『エデュカーレ』編集長や持続可能性をキーワードとする保育者のための学びの場『ぐうたら村』の村長でもある。NHK E-テレ『すくすく子育て』などメディアへの出演も多数。

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