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災害後、すぐにでも起こる 待ったなしの 「トイレ問題」【ふだんのBOSAI】

必要になるのは、今日かもしれない。 普段の防災は、不断の防災。

災害後、すぐにでも起こる 待ったなしの 「トイレ問題」

01 上水道と下水道の 復旧には時間がかかる

東日本大震災時、震源から遠く離れた浦安市でも上下水道に被害が出て、復旧までには「上水道26日」「下水道35日」がかかりました。どちらかでも復旧が遅れるとトイレは使えません。

02 自宅ならシートタイプの 携帯トイレが便利

「水が流せないけど便器は無事」なら、シートタイプの携帯トイレがおすすめ。便器にポリ袋をかぶせ、その上から携帯トイレを設置して使います。吸収材・凝固剤入り、消臭効果も。

03 携帯トイレは7日分、 4人家族で65枚が目安

トイレ回数は「1人1日5回」と想定し、7日分以上備蓄しましょう。(本来は1回ごとに交換ですが)節約して「大便は1回・小便は3回で交換」にすると、4人家族で65枚必要です。

 

水が使えても、下水道が 壊れるとトイレは流せない

「災害が起きたら避難所へ」と思う人も多いかもしれませんが、住宅が災害に対して強くなった今、もし災害が起きたら在宅避難を選ぶ人が多くなるでしょう。

そこで、大切なのが在宅避難の備えです。「災害の備え」といえば、食料や水が思い浮かぶかもしれませんが、実はトイレが重要です。断水していれば水洗トイレは使えません。しかも、たとえ上水道が使えたり、水の溜めおきがあっても、下水道の配管のどこかが破断していると流した汚水が逆流する恐れがあります。マンションだと、上の階からの汚水が逆流して1階のトイレから噴き出すことも。マンションでも一戸建てでも安全が確かめられるまでは「トイレは流せない」が前提です。

そして、過去の震災では、上下水道の復旧までに何十日もかかるケースがありました。同じ地域なら、学校や公園などの公共トイレも使えません。それにも関わらず、過去の災害では人々が殺到して便が溢れたり、汚いのでみんなが敬遠し、使用や水分を控えて体調を崩す人が続出しました。

そこで、必要になってくるのが「携帯トイレ」の備えです。自宅のトイレが壊れていないなら、「自宅の便器にシートタイプの携帯トイレを設置して使う」のが最も便利。災害から1週間すれば仮設トイレが設置されるでしょうから、まずは1週間持たせる備えをしておいてください。もし携帯トイレが足りなくなったら、ポリ袋と新聞紙で代用します。トイレ対策は長丁場です。大量のポリ袋と新聞紙を準備しておきましょう(※)。

※目安は、4人家族でポリ袋200〜300枚、新聞紙朝刊2カ月分。

永田 宏和さん

NPO法人プラス・アーツ理事長。兵庫県西宮市生まれ。大学で建築を学び、大学院ではまちづくりを専攻。阪神・淡路大震災10周年記念事業で、楽しく学ぶ新しいカタチの防災訓練「イザ!カエルキャラバン!」を開発。

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