Q.「子どものコロナワクチン」が不安
ワクチンの心配は、 信頼できるサイトで調べよう
新型コロナウイルスワクチンの接種券が、若い世代にも配られるようになってきました(7月26日現在)。私の小児科クリニックでも、受診の際に「子どもも新型コロナワクチンを打った方がいいんですか?」と尋ねる人が増えました。「もちろん受けた方がいい」というのが、私の考えです。
ただ、「新しいワクチンだから、打つと将来どうなるかわからない」という不安を持つ人もいます。「mRNAワクチン」という聞き覚えのないワクチンということもあり、「こんなに早くワクチンができるなんておかしい」とか「不妊症になる」というデマを聞くと心配になるのもわかります。
そんな時は、インターネットでも正しい情報を入手できます。多くの医師が運営するサイト『こびナビ』の「ワクチンQ&A」では、ワクチンの仕組みや「どうしてたった1年間でできたのか」などをやさしく教えてくれています。要するに、「途中までは研究・開発ができていた既にあった技術を使ったから早くできた」ということです。
厚生労働省のサイトにある「新型コロナワクチンQ&A」も、わかりやすく詳しい説明です。たとえば、「Q私は妊娠中・授乳中・妊娠を計画中ですが、ワクチンを接種することができますか」では、海外では既に10万人以上の妊婦さんがこのワクチンを受けており、妊娠中・授乳中の女性が接種しても問題は起きておらず、妊娠を計画する際にも不妊症になったりはしていないことがわかります。
なぜ12歳以上の子どもも 打てるようになったの?
次に、当初は「ファイザー・ビオンテック製ワクチンは16歳以上」「モデルナ製ワクチンは18歳以上」と決まっていたのに、その後ファイザー・ビオンテック製ワクチンは12~15歳の子どもも打てるようになったのはなぜでしょう?それは、12~15歳を対象に治験が行われたからです。
医薬品の安全性と効果は「治験」という方法で確かめられます。「どんな人に、どんな風に投与して、どんな効果があって、どんな問題が出たか」を正確に調べるためには、投与する対象の性別や年齢を決めて調べます。そこで、まず成人を対象に治験が行われ、次にもっと若い年齢を対象に、効果と安全性が確かめられたのです。
さらに、モデルナ社は「12~17歳への有効性を確認」と発表し、ファイザー社は「生後6カ月~11歳の子どもへの治験実施」を明らかにしています。これから接種対象の年齢はもっと広がるでしょう。
ただ、接種後の痛みや発熱といった副反応は若い人ほど出やすいと言われています。お子さんの接種は、かかりつけ医(個別接種)で受けることをおすすめします。心配があって受けたくないと思う人は、信頼できるかかりつけ医に相談してみてください。接種後は15分間様子を見てから帰宅します。のどの違和感や皮膚がかゆくなったり、気持ちが悪くなったりしたら遠慮なく申し出てください。激しいアレルギー反応ほど早く出ますから、初めの15分が大事なんですね。
早く新型コロナウイルス流行が収束しますように。