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父親の役割ってなんだろう?【子どものココロ】

筑波大学教授の徳田克己先生が、ママの子育てに関する悩みに答えてくれるコーナー。
今回のパパの悩みは、「父親の役割ってなんだろう?」です。

3歳の息子の父親です。おむつ替えや入浴、夜泣きの対応など、自分なりに子育てに参加していますが、父親として、子どもとどう接したらいいか迷うことも…。
奥さんの指示通りではなく、父親がやるべき育児を考え、実行しようとしていて、すばらしいですね。ポイントは、父親が「第二の母親」にならないことです。

 

父親は子どもの「考える力」を 伸ばしてあげる

父親と母親にはそれぞれ役割があります。子どもは毎日の生活の中で「強引だけれど、強い、大胆な父親」から決断の仕方や力強さを学び、「少し口うるさいけれど、優しくて心配りをする母親」から、生活習慣のルールやまわりの人への配慮を教えられていきます。

父親も母親と一緒になって、生活のルールや世の中の決まりを覚えさせようとすると、子どもは両親からいつも「覚えなさい」「忘れたらだめだぞ」とプレッシャーをかけられることになります。

一方、幼児期の子どもに最も大事なのは「考えること」です。覚えたことを材料に、子どもがいろいろなことを考えられるようにしてあげるのが父親の役割です。

悩む場面こそ、子どもが頭を使って考えるチャンスです。子どもが悩んでいたら、すぐに答えを与えるのではなく、子どもが自分なりの回答を出すまで待ってあげてください。トンチンカンな回答が返ってきても、笑ったり怒ったりするのではなく、自分で考えたことをほめてあげましょう。ひとのマネではなく、自分で考えたことを口にするのがすばらしいことなのだと、伝えてほしいのです。お父さんからほめられることは、子どもの大きな自信になります。

 

子どもに「待つ」ことを 教えてあげる

子どもは「待つ」経験をすることで忍耐力が身につきます。忍耐力は、心の成長や学力向上のもとになります。

母親は子どもをいつも見ているので、つい、口を出してしまいます。また、母親は子どもの失敗を見たくないので「早く!」と言って、指示に従わせようとします。

どうか、お父さんは子どもに「早く!」と言わないでください。待ってあげてください。子どもが自分の頭で考えて、自分で決めて行動するには時間がかかります。それを急かさずに、見守ってあげましょう。つまり、お父さんが子どもに「待つモデル」を示してあげるのです。

自分の身近に「待つモデル」がない子どもは、当然、待つことができません。誰に対してもすぐに答えを求めようとします。テーマパークで行列に並ぶこともできなくなります。

もちろん、お母さんも「待てる母親」でいてほしいのですが、子どものすべてが目に入るお母さんには、とても難しいことです。子どもに待つことを教えるのは、お父さんの大きな役割ですよ。

 

筑波大学 医学医療系教授
教育学博士 臨床心理士
徳田 克己先生

子どもたちが笑顔で生き生きと過ごせることをめざし、研究・実践に取り組む。幼稚園や保育所、子育て支援施設を回り、発達相談に応じている。
最近はディズニー映像の教育的効果や「クレヨンしんちゃん」の分析などの実践研究を手がけている。保護者を対象にした講演会や「お父さん講座」なども好評。

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