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「保険について知りたい!」医療保険って、必要?【FP西山美紀さんがアドバイス・その2】

ママからのマネーに関するお悩みに、ファイナンシャルプランナーの西山美紀さんがアドバイスするコーナー。「保険について知りたい!」第2回目は、「医療保険って、必要?」です。

 

医療保険に入る前に知っておきたい「高額療養費」という制度

万一の病気やケガで病院にかかり、大きな医療費がかかったら心配だというママも多いことでしょう。「医療保険」も気になると思いますが、実は医療保険に入る前に知っておきたい制度があるのです。それは「高額療養費制度」です。

 

高額療養費制度とは、「医療費がたくさんかかって大変だった」という人に対して、1か月あたりに支払う医療費の上限を決めているものです。

 

例えば、手術や入院などで、1か月あたりの医療費が100万円になったとします。健康保険の適用対象であれば、3割負担なので、30万円になりますよね。

 

さらに、一般的な年収(約370万円~770万円)であれば、高額療養費制度により、1か月あたり10万円程度の自己負担でOKです。事前に「限度額適用認定証」をもらっておけば、病院での支払いの際、差額分の10万円程度で済むのです。

 

健康保険が適用されない例外もある

「それなら、医療費についてはそれほど心配なさそう」と感じるかもしれませんが、高額療養費制度はすべての医療費が対象でないことに注意です。食費や差額ベッド代(個室等を選んだときの上乗せ費用)、先進医療にかかる費用等は、健康保険の適用外なので、高額療養費制度の対象外です。

 

また病気によっては、ウィッグを買ったり、遠方の病院に通って交通費がかかったりというケースもあります。それらの費用も対象外です。

 

いずれのお金も、たくさんの貯蓄があれば支払うことができますが、そうでない場合は医療保険を検討しておくのも一案でしょう。

 

今の時代は、保険の入院日数が長くなくてもよい

医療保険は、入院1日あたりに出る保険金が5000円のものや1万円のもの、入院日数(支払限度日数)の上限が60日や120日など、さまざまな種類があります。

 

上記の選択肢の場合、手厚くなるのは入院日額1万円で、入院日数が120日型となりますが、保障を手厚くすればするほど、月々の保険料も高くなってしまいます。

 

どこかで折り合いをつけるために、“できるだけ保障をコンパクトにする”というのも一案です。つまり、入院日額5000円で入院日数が60日型にするのです。

 

最近は長期間入院することは減っていて、平均入院日数は31.9日(厚生労働省、平成26年患者調査より)。ですので、60日型でもある程度カバーできるのではという判断です。

 

もちろん、超長期間入院することになるという可能性もゼロではありません。そのために、何にでも使える貯蓄が大切なのです。

 

「女性疾病特約」はマストではない

よく勘違いされがちなのが、「女性だから、女性疾病特約をつけたり、女性向け保険に入ったりしなければならない」というお話。これは間違いです。

 

女性疾病特約とは、女性特有の病気(子宮や卵巣の病気等、あらかじめ定められたもの)の際に、“保障が上乗せされます”といった意味です。通常の医療保険であれば、女性特有でもそうでなくても、該当する病気やケガであれば保障されるので大丈夫です。どうしても気になる場合は入ってもよいと思いますが、マストではないということを覚えておきましょう。

 

医療保険は、一度大きな病気をすると、入れないものもあります。入ろうと思った場合は、なるべく早く入っておくことをおすすめします。

西山 美紀さん

ライター、FP(ファイナンシャルプランナー)。All About貯蓄ガイド。9歳の男の子と7歳の女の子のママ。『お金が貯まる「体質」のつくり方』(すばる舎)が好評発売中。

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